9 Jul 2017
不耐症という言葉をみなさんは聞いたことがあるでしょうか。有名な不耐症は【乳糖不耐症】というのがあります。乳糖不耐症の人が牛乳を飲むとお腹がごろごろする、気持ち悪くなるというのが典型的な症状です。不快症状がでるという意味ではアレルギー症状と同じような反応を示すため、どちらが原因なのか分かりにくいですね。
ここでは不耐症とアレルギーの違いについて分かりやすく解説していきます。
不耐症もアレルギーも食物を摂取することで不快症状が出ると言う意味では同じですが、メカニズムが全く違います。
不耐症
「非アレルギー性食物過敏症」ともいい、特定の食物を消化するのが困難な状態を指します。食物を消化するにはそれぞれ決まった酵素があり、例えばアルコールであれば「アルコール脱水素酵素」、脂肪であれば「ホスホリパーゼ」、乳糖であれば「ラクターゼ」が必要です。
これらの酵素を持っている量は人それぞれ違いがあり、まったくない、若しくは少ない人が不耐症の症状が出てくることになります。お酒をコップ1杯飲んだだけでふらふらになる人はアルコール脱水素酵素を持っていないと推測できるわけです。
不耐症には乳糖不耐症(牛乳)、ヒスタミン不耐症(発酵食品、ナス、トマトなどはヒスタミンを多く含みます)、グルテン不耐症(小麦にグルテンが含まれます)、果糖不耐症(くだもの類)、トマト不耐症などがあります。
不耐症は人それぞれに得意な食品の消化能力に違いがあるということです。これを食べるとなんだか胸やけがする、気持ち悪くなるというご経験があると思いますが、それはその食品の消化酵素を持っていない、または少ない可能性があるということです。
アレルギー
アレルギーは食品に含まれるたんぱく質に反応します。たんぱく質は体の中で、たんぱく質→ポリペプチド→アミノ酸と分解が進んでアミノ酸になってから体内に吸収されるのが正常な代謝過程です。
しかし、これが何らかの原因で(例えば腸壁の傷やただれ)完全に分解されずにポリペプチドの状態で吸収されてしまうと、体が異物と判断してアレルギー症状を誘発します。
このとき免疫細胞がIGE抗体とうものを作ります。この数値は血液検査(RAST検査)で調べることができ、数値が高い=アレルギー反応が強いということです。
普通に食べ物を食べていても花粉を吸ってもアレルギーにはなりませんが、「感作」することでアレルギー反応を示すようになります。「感作」とはマスト細胞がIGE抗体でびっしりと覆われた状態のことをいい、IGE抗体の数値を低く抑える=免疫細胞を正常に働かせる ことがアレルギーを起こさない状態です。
IGE抗体の数値を低くするにはそのアレルゲン物質を体内に取り入れない、ストレスを溜めない、よく睡眠をとることが大切です。
アレルギー検査と不耐症検査
アレルギーの抗体検査は病院で血液検査を受ければ簡単に検査してくれます。検査費用も私が受けたときは5000円程度だったと記憶しています。詳しくは下記記事を参照してください。
不耐症は毛髪検査で調べることが出来ます。しまテストジャパンという会社が仲介をしてくれ、アレルギーリンク社で検査をしてくれます。毛髪を数センチ送ると3ヵ月後には詳細な報告書が届きます。ちなみに私の嫁はこの検査でヒスタミン不耐症が発覚しました。
毛髪検査については下記記事を参照してください。私の検査結果を詳しく解説しています。
このようにアレルギーと不耐症は同じような症状が出ていても体のなかで起こっていることは違います。アレルギーは免疫系の働きによるもの、不耐症は消化酵素の不足が原因です。
いずれにしても自分の体が不得意とする食物は少なく食べる、消化能力範囲内で食べるのが健康で疲れない体作りには最適だと思いますので、みなさんも検査で自分の体の特徴を見極めてみては如何でしょうか。
慢性疲労がある、肩こりがある、偏頭痛がある、いつも便秘など慢性的な不快症状がある場合は不耐症が原因かもしれません。現代人はいろいろな食べ物を食べすぎなのだと思います。消化能力の強い人はあまり表面的に問題はでないようですが、消化能力の弱い外胚葉気質の人は気をつけていたほうが良いと思いますので、自分でなんとなく嫌い、またはお子さんがこれ嫌い!というものは無理に食べないほうがいいと思います。
”なんでもたくさん食べるほうがいい”というのは私は違うと思います。人間はもともと偏食なのが普通なのだという気がしてなりません。
このあたりの話はこの本に詳しくおもしろく書いてありますので、是非読んで見て下さい。
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